中古の恒温恒湿器は、確認すべき点を押さえれば有力な選択肢です。メリットと購入前のチェック項目を整理します。
最大のメリットは、導入費用を大きく抑えられる点です。たとえば型式PSL-4Jの恒温恒湿器は、定価7,487,200円に対して中古の販売価格が2,095,000円(税抜)です。低温恒温器PU-4Jも、定価4,137,200円に対し950,000円(税抜)で販売されています。いずれも定価の2〜3割程度で同型機を導入できる計算です。予算が限られる部門でも導入しやすい点が魅力です。なお、価格は2026年10月時点の掲載例です。
参照元:アイラテック(東京理化器械株式会社)(https://www.eyelatec.jp/contents/hp0042/list.php?CNo=42)
中古品は在庫をそのまま購入できるため、短期間で導入できます。エスペックのリセール品は、発注から通常10日〜2週間で納品されます。ただし中古品は一点物が多く、注文書の受付順で販売し、予約を受け付けない販売元が一般的です。試験の開始時期が決まっている場合は、早めに在庫確認と見積依頼を進めましょう。
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/testing-rental/resale/)
参照元:タナカ・トレーディング(https://www.3915.jp/hp07/143.html)
品質面の不安を減らすには、整備・保証付きの中古を選ぶことが大切です。エスペックのリセール品は、新品販売と同じ基準で整備・再検査を行い、納入後6ヶ月の無償保証が付きます。一方で、初期不良に限り納品後10日以内の返品・交換で対応する販売元もあります。保証の期間・範囲は販売元によって大きく異なるため、購入前に必ず確認しましょう。
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/testing-rental/resale/)
参照元:アイアールシー株式会社(https://ircforall.net/faq)
販売条件は商品ごとに異なり、主に「整備済・動作保証あり」「動作確認のみ」「現状渡し」があります。整備済は販売元が点検・整備したうえで動作を保証するもの、動作確認のみは運転できることを確かめた段階のもので、保証の手厚さに差があります。
動作確認の内容も重要です。低温・高温の設定温度に到達するか、湿度制御やプログラム運転が機能するかまで確認した記録があるかを販売元に尋ねましょう。取扱説明書や保守記録の有無も確認しましょう。精度保証が必要な試験では、購入後の校正の要否も確認してください
参照元:タナカ・トレーディング(https://www.3915.jp/hp07/143.html)
参照元:アイアールシー株式会社(https://ircforall.net/kaitori/thermostatic-chamber)
年式は、メーカーの修理・部品供給を受けられるかを左右します。エスペックは、販売(納品)後10年間を機能・性能の修復期間、15年間を修復対応期間と定めています。メンテナンス部品は最長15年間供給できる体制ですが、10年を超えた製品は修復時に機能・性能に制限が生じる場合があります。年式は装置の銘板で確認できます。
保守契約も年式で利用可否が決まります。部品代を含む「スーパーサポートプラン」は製造後10年まで、部品代別の「お気軽サポートプラン」は製造後15年までが対象です。他メーカーの対応期間は機種ごとに異なるため、購入前に個別に確認しましょう。
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/support/end_next/)
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/support/contract/)
設置場所の設備に合うかも事前に確認が必要です。電源は機種によりAC100V単相やAC200V三相などがあり、電流容量も異なります。たとえば小型環境試験器SH-642はAC100V単相・最大17.5A、恒温恒湿器PR-2JはAC200V三相・最大20Aです。100V機でも電流容量が大きい機種があるため、専用回路の要否の確認も大切です。
冷却方式は、空冷式なら排熱を処理するエアコンや排気設備、水冷式ならチラーやクーリングタワーなどの冷却水設備が必要です。加湿には電気導電率0.1〜10μS/cmの純水を用意し、超純水・水道水は避けます。外寸・重量(PR-2Jは約305kg)をもとに、床の耐荷重や搬入経路を工場側で確認しましょう。
参照元:タナカ・トレーディング(https://www.3915.jp/hp01/category/2/1.html)
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/products/qa/qa02.html)
中古の恒温恒湿器は、本体価格だけで予算を判断しないことが大切です。掲載価格とは別に運賃や消費税がかかるのが一般的で、据付や電源・給排水の工事が必要になる場合もあります。大型機は、重量・寸法・設置階・エレベーターの可否によって搬入方法や費用が変わる可能性があります。見積依頼時にはこれらの条件を伝え、本体・運賃・工事費を合わせた総額で比較しましょう。
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/testing-rental/resale/)
参照元:アイアールシー株式会社(https://ircforall.net/kaitori/thermostatic-chamber)
フロン類を冷媒とする業務用の冷凍空調機器では、管理者に3ヶ月に1回以上の簡易点検、点検・整備記録の保存、廃棄時のフロン類回収が求められます。エスペックは、圧縮機(冷凍機)を搭載した自社製品はすべてフロン排出抑制法の第一種特定製品に該当するとしており、CO2などフロン類以外の冷媒を使う機器は法の対象外です。中古機は製品側面・背面のフロンラベルで冷媒の種類と充填量を確認し、不明な場合はメーカーに問い合わせましょう。
参照元:三菱電機株式会社(https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/guide/support/law/furon/index.html)
参照元:エスペック株式会社(https://www.espec.co.jp/products/qa/qa09.html)
品質面に不安がある場合は、メーカー系のリセール品を選ぶと安心です。メーカー基準で整備・再検査された製品を、保証付きで導入できます。購入後に保守契約を結べるかも確認しましょう。年1回の点検・予防保全を受けられれば、突発的な故障や修理費用を抑えられます。短期間だけ使う場合は、レンタルとの比較も有効です。
中古の恒温恒湿器は、導入費用と納期の面で魅力のある選択肢です。ただし品質は販売条件や年式によって大きく変わります。整備・保証の有無、部品供給期間、電源・冷却方式、搬入費を含む総額、フロンの扱いを事前に確認しましょう。不安が残る場合はメーカー系リセールや保守契約も活用し、安心して使える1台を選んでください。



※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)