冷熱衝撃試験は、供試品に対して短時間のうちに高温と低温を交互に繰り返し与え、製品の信頼性を評価する環境試験です。異種材料で構成された製品では、素材ごとの熱膨張率の違いから、急激な温度変化で接合部に熱応力が集中します。クラックや剥離、ネジの緩みなどの不具合を繰り返しの熱ストレスにより短期間で検出できる点が、この試験の大きな特徴です。
試験方式は気槽式と液槽式の2種類に大別されます。気槽式には熱風と冷風をダンパで切り替える方式や供試品を高温槽・低温槽間で移動させる昇降式(エレベータ式)があり、実使用環境に近い条件での再現性が高い点が特徴です。液槽式は高温・低温の液体に供試品を交互に浸漬する方式で、より急激な温度変化を実現でき、試験時間の短縮に適しています。
急速温度変化対応の恒温恒湿器は、温度サイクル試験に用いられる装置です。一般的に10℃/分程度の速度で温度を変化させ、長期使用における熱膨張・収縮の累積的な影響を評価します。冷熱衝撃試験では短時間(数秒〜数分以内)で100℃以上の温度差を生じさせ、短期間で応力集中や亀裂、剥離などの弱点を検出します。
試験目的を整理すると、冷熱衝撃試験は短期的な耐久性評価や弱点箇所の早期発見に向いています。恒温恒湿器による温度サイクル試験は、長期的な耐久性の確認や製品寿命の推定が主な役割です。対象製品や評価項目に応じた使い分けが求められます。
参照元:エボルテック株式会社|熱衝撃試験とは?目的や試験方法の種類、温度サイクルとの違いなど解説(https://evoltech-shiken.com/column/354/)
冷熱衝撃試験は、さまざまな製品評価の場面で活用されています。代表的な用途は以下のとおりです。
冷熱衝撃試験の対象となる製品は多岐にわたります。電子基板・プリント基板は金属や樹脂など複数の素材で構成されており、熱膨張率の差からクラックが発生しやすい代表的な試験対象です。
車載部品ではECU、車載インバーター、電動ターボチャージャー、インタークーラー、ラジエター、車載用Li-Ionバッテリーモジュールなどが挙げられます。パワー半導体はハイブリッド自動車や家電製品の電力変換回路に使用され、200℃を超える高温条件での試験が求められるケースもあります。コネクタ類や樹脂成型品、異種材料組合せ成型品、大型フラットパネルディスプレイなども対象です。
冷熱衝撃試験は、急激な温度変化に対する製品の信頼性を短期間で評価できる試験手法です。急速温度変化対応の恒温恒湿器との違いを把握したうえで、試験目的や対象製品の特性に合った装置・方式を選定することが、効率的な品質評価の第一歩となります。
環境試験の課題をクリアする恒温恒湿器を選ぶには、各メーカーの得意分野と活用シーンを知ることが大切です。このメディアでは、評価担当者が条件に合うメーカーを見極められるよう、各社の強みを整理して紹介しています。


※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)