現場で求められる温湿度範囲や試験条件は業界・製品ごとに異なります。本記事では、低温恒温恒湿器の用途に応じた選定ポイントと、信頼性評価試験や保存試験など目的別に活用できる製品例をまとめました。
一定の温度と湿度を低温環境で長時間にわたり安定的に保つ装置の総称です。主に、製品や素材の耐寒性・防湿性・品質安定性を評価するための試験や保管に使用されます。具体的に何度に対応できれば低温恒温恒湿器という定義はありません。
一般的には、家庭用冷凍庫(-20℃程度)を超える超低温域に対応する装置を「低温恒温恒湿器」と呼ぶ傾向にあります。
※Google検索で「低温恒温恒湿器」と検索した際に表示された上位3メーカーを紹介しています(2025年10月14日時点)。

幅広い温湿度制御が求められる環境試験に適した低温恒温恒湿器です。
温度は-30℃から+100℃まで、湿度は20%から98%RHまで安定的に制御し、結露防止や加湿試験を精度高く再現。冷却コイルへの霜付きを抑える設計により、霜取り運転を行わずに長時間の連続試験が可能です。低温域でも安定した運転を維持し、試験の再現性を高めます。
さらに新冷媒R-448A採用で環境規制に対応。高精度な試験と運用コスト削減を両立できる、研究・品質管理部門に適した装置です。

-40℃から+100℃まで、幅広い温度範囲を高精度に制御できる恒温槽です。15パターン・各100ステップのプログラム設定により、複雑な温度変化を自動再現し、試験の再現性と効率を大幅に向上。
また、高性能な密閉型冷凍ユニットを採用している点も特徴です。冷却方式は、設置環境に応じて空冷式・水冷式から選択可能。設定温度に対して誤差を±0.8℃以内に留められるほか、短時間で温度上昇・下降を実現します。
自動車部品や電子部品の環境試験、医薬・食品の品質評価に適した装置です。

食品・医薬・化粧品の保存安定性試験で求められる精密な環境を再現する試験装置です。
温度は-20℃から+85℃まで、湿度は50%から90%RHまでの範囲で制御でき、冷蔵・冷凍・常温など各保存条件を正確に再現。温湿度分布は「±2℃・±5%RH」以内に保たれ、試験結果のばらつきを抑制します。
また、蒸発器の霜付きを防ぐフロストフリー運転(特許番号 第6296964号)を活用すれば、霜が発生しやすい+5℃でも、温度を保ちながら長期間の連続運転を実現可能です。
低温恒温恒湿器の導入は、仕様確定、見積、搬入・据付、試運転の順で進みます。低温運転時には霜取りや結露対策が必要になるため、ドレン排水経路や防結露処理を事前に確認しておくことが重要です。
また、冷却用コンプレッサーを搭載しているため、電源容量に余裕を持たせること、十分な換気と放熱スペースを確保することが安定稼働の鍵となります。
装置の排熱とメンテナンスを考慮し、壁や他機器からは指定距離(通常30~50cm以上)を離して設置。床は水平で、重量(数百kg~1t超)に耐えられる構造が求められます。
フロストフリー運転(特許取得)で長期の安定性試験に対応するモデルや、複雑な温度変化プログラムを自動実行できるモデル、新冷媒を採用し環境負荷低減と高精度試験を両立するモデルなど、多様な種類があります。
製品を選定する際は、自社が求める最低温度や制御精度といった基本スペックに加え、プログラムの要否、長期連続運転の有無、新冷媒への対応なども確認が必要です。自社の試験目的と運用条件に適切な一台を見つけましょう。
次の記事では、環境試験のニーズ別におすすめの恒温恒湿器製品を取り上げています。



※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)