限られた設置環境で試験精度を維持するには、装置性能と運用性の両立が欠かせません。小型恒温恒湿器はその課題を解決する選択肢の一つです。本記事では、用途別の選定基準と製品例を紹介します。
省スペースで設置できるタイプの恒温恒湿器全般を指します。設置タイプは、机や作業台の上に設置できる卓上型(ベンチトップタイプ)が多い傾向です。
工場の品質保証部門や大学、研究室など、設置スペースが限られる場所での品質試験・評価に広く使用されています。
※Google検索で「恒温恒湿器 小型」と検索した際に表示された上位3メーカーを紹介しています(2025年10月14日時点)。

従来機種と比べて設置面積を最大80%削減※できる多段積み設計の小型恒温恒湿器です。
本体サイズは幅660mm・奥行1040mm・高さ1285mm(1段モデルの場合)と、一般的な事務用デスクとほぼ同等の省スペース設計。限られた研究室にも無理なく設置でき、スペース効率の向上と作業動線の最適化に貢献します。
DCインバータ制御の空冷ロータリ冷凍機と独自の冷媒流量制御により、温度下降速度を従来比約1.8倍※に向上。+20℃から-40℃までを約50分で到達可能です。
温度は-40℃から+100℃まで、湿度は20%から98%RHまでの範囲に対応し、研究・開発・品質保証の現場で安定した信頼性試験を支えます。

机上に置けるベンチトップサイズの恒温恒湿器です。最小モデル(SH-222/SH-242)は内寸W300×H300×D250mm、外寸W440×H690×D696mmと、A3用紙2枚ほどの設置面積に収まるコンパクト設計。100V電源で使用できるため、研究室や開発部門でも手軽に導入できます。
対応範囲は-60~+150℃、湿度30%から95%RHで、小型ながら本格的な環境試験に対応。限られたスペースでも精密な試験環境を再現できる、小型恒温恒湿器です。

卓上に設置可能なコンパクト設計ながら、-40~+150℃・30~95%RHの広範囲制御に対応した高性能モデルです。
内寸はW300×H300×D250mm、外寸はW440×H690×D695mmと、A3用紙2枚分ほどの設置面積に収まるサイズで、机上や作業台にも無理なく配置できます。カラーLCDタッチパネルは手袋を着けた状態でも操作しやすく、クリーンルーム環境でもスムーズに設定変更が可能です。
試験データはUSBメモリへの保存や、Webアプリを介した遠隔操作・確認にも対応。AC100V電源で簡単に導入でき、省スペースでも高精度な環境試験を実現する小型恒温恒湿器です。
導入は仕様確認、搬入、設置、試運転の順で進みます。大型機と異なり、搬入経路や床耐荷重の制約が少なく、製品によっては100V電源やタンク給水で運用できる手軽さが特徴です。
ただし、小型でも設置場所の水平、電源確保、排熱・メンテスペースは必須であり、給排水や水漏れ対策(受け皿など)も重要となります。
小型の恒温恒湿器といっても、正方形に近いものや縦長、積み重ねられるタイプなどが複数存在し、設置環境によって選ぶべき製品が変わってきます。
また、どのような用途で小型恒温恒湿器を導入するかによって、必要な機能や仕様も変わるもの。複数条件の試験、温湿度サイクル試験、監査が入る試験など、自社の用途を明確にした上で製品を選びましょう。
次の記事では、環境試験のニーズ別におすすめの恒温恒湿器製品を取り上げています。



※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)