高加速寿命試験とは、製品に高温・高湿・高圧・振動などの過酷な環境ストレスを加える試験方法です。通常の使用環境では数年かかる劣化や故障を、数日から数週間で再現・検出できます。製品が持つ潜在的な弱点を効率よく把握できる信頼性評価手法として、電子機器や半導体の分野を中心に広く活用されています。
代表的な手法には、HAST(Highly Accelerated Stress Test:高加速温湿度ストレス試験)とHALT(Highly Accelerated Life Test:高加速寿命試験)の2種類があります。いずれも短時間で製品の耐久性や限界を評価できる加速試験の一種です。
従来の加速寿命試験(ALT)は実使用に近い条件で長時間をかけて劣化を促す手法でした。高加速寿命試験では短時間でストレスを急激に増大させ、設計段階の弱点を素早く見つけ出す点が異なります。
HASTは高温(110〜130℃)・高湿(85%RH以上)・加圧(約2気圧)の環境下で実施される試験です。主に半導体や電子部品の耐湿性・耐腐食性を評価する目的で用いられています。試験時間は24〜96時間程度で、IEC 60068-2-66などの国際規格に準拠した不飽和条件での試験が特徴です。
HALTは温度の急速変化(変化率70℃/min程度)とランダム振動(6自由度)の複合ストレスを段階的に強める試験です。製品の運転限界(Operating Limit)や破壊限界(Destruct Limit)を短時間で検出でき、設計段階での弱点発見を主な目的としています。
HASTが温湿度と加圧による耐久性評価に特化しているのに対し、HALTは温度変化と振動の複合負荷で限界値を探る手法です。対象製品や評価目的に応じた使い分けが求められるでしょう。
参照元:ICソケット ソリューション.com|高加速寿命試験 HAST(High Accelerated Stress Test)の特徴と仕組みについて解説(https://ic-socket-solutions.com/blog/1413/)
参照元:東陽テクニカルマガジン|HALT:「ものづくりのイノベーション」を支援する 開発期間短縮と未然防止を実現する考え方とツール(https://www.toyo.co.jp/magazine/detail/id=34187)
高加速寿命試験は、製品開発から出荷までの幅広い工程で活用されています。主な用途は以下のとおりです。
開発初期に弱点を洗い出すことで、量産後の市場不良を低減し、品質改善サイクルの効率化につなげられます。
高加速寿命試験は多岐にわたる製品分野で採用されています。代表的な対象製品は以下のとおりです。
高加速寿命試験にはHASTとHALTの2つの代表的な手法があります。温湿度+加圧、または温度変化+振動といった異なるストレスで、製品の信頼性を短期間で評価できる点が強みです。品質向上や市場不良の低減に欠かせない試験として、多くの製造現場で導入が進んでいます。試験の実施や委託を検討される際は、対象製品や評価目的に応じた手法の選定が大切です。
環境試験の課題をクリアする恒温恒湿器を選ぶには、各メーカーの得意分野と活用シーンを知ることが大切です。このメディアでは、評価担当者が条件に合うメーカーを見極められるよう、各社の強みを整理して紹介しています。


※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)