恒温恒湿試験を外部へ委託する際は、試験槽の温湿度範囲だけでなく、試料のサイズや通電の可否、規格対応、試験後の評価・解析まで確認することが大切です。ここでは、恒温恒湿試験で抱えやすい課題に合わせて、受託先3社を紹介します。



対応できる温湿度条件や試料サイズ、設備の空き状況などは受託先によって異なります。依頼前に試験条件を整理し、希望する試験が実施できるか確認しましょう。
恒温恒湿試験の受託とは、恒温恒湿器を備えた外部の試験機関に試料を預け、指定した温度・湿度条件で試験を実施してもらう方法です。自社で試験設備を保有していなくても、製品や部品の耐久性・信頼性を評価できます。
受託試験では、試験条件や試料の情報を受託先へ伝え、適した試験設備を使って試験を実施してもらいます。恒温恒湿器の購入費や設置スペースを確保する必要がなく、社内で試験設備の運転・保守を行う負担も抑えられます。
また、受託先によっては試験中の通電・動作確認や、試験前後の測定、故障解析などもまとめて依頼できます。自社では対応しにくい条件や長期間の試験を実施したい場合にも選択肢となります。
レンタルは恒温恒湿器を一定期間借り、自社で試験を行う方法です。試験設備を購入するより初期費用を抑えやすい一方、設置場所の確保や試験の段取り、運転は基本的に自社で行う必要があります。
購入は、自社で恒温恒湿器を保有して継続的に試験を行う方法です。使用頻度が高い場合や、必要なタイミングですぐに試験したい場合に適しています。
一方、受託試験では試験そのものを外部へ依頼します。設備を自社に置く必要がないため、使用頻度が限られている場合や、自社設備では対応できない試験条件・試料サイズの場合にも利用しやすい方法です。
恒温恒湿試験を受託できる会社は、それぞれ保有設備や対応可能な試験内容が異なります。料金だけで比較するのではなく、次の6つのポイントから自社の試験条件に合うか確認しましょう。
まず確認したいのが、必要な温度・湿度条件を再現できるかどうかです。一定の温湿度を維持する試験だけでなく、温度変化や温湿度サイクルを繰り返す試験では、試験槽の性能や対応範囲も確認する必要があります。
試験条件が規格で指定されている場合は、条件を受託先へ事前に共有し、使用する設備で再現できるか確認しましょう。
同じ恒温恒湿試験でも、試験槽によって槽内寸法や積載できる重量は異なります。特に大型製品や重量物の場合は、試料そのものが入るかだけでなく、搬入口の大きさや搬入設備まで確認しておくことが重要です。
複数の試料を同時に試験したい場合は、一度に収容できる数量についても確認しておきましょう。
恒温恒湿試験には、数時間・数日の試験だけでなく、数週間から数か月に及ぶ長期試験もあります。長期間設備を占有する試験では、保有している試験機の台数や予約状況によって開始時期が変わる場合があります。
複数条件の試験を並行して行いたい場合は、必要な設備台数を確保できるかも確認しましょう。試験機を多数保有する受託先であれば、複数試験や長期試験を相談しやすくなります。
製品によっては、JISやIEC、ISOなどの規格に沿った環境試験が求められます。規格試験を依頼する場合は、対象規格への対応実績だけでなく、指定された温湿度条件や試験手順を実施できる設備があるか確認しましょう。
認証や取引先への提出を目的としている場合は、試験後に発行できるレポートや証明書についても事前確認が必要です。
電子部品や電装品などでは、恒温恒湿環境に置くだけではなく、通電した状態での評価や試験中の動作確認が必要になる場合があります。
電源や計測機器、治具などの準備が必要になるため、通電試験への対応可否に加え、必要な機器の選定・準備まで任せられるか確認すると、試験開始までの負担を減らせます。
恒温恒湿試験では、試験を実施するだけでなく、その前後で性能や外観にどのような変化が生じたかを確認することも重要です。
外観観察や電気特性測定、断面観察、X線CTなどの評価・解析まで依頼したい場合は、受託先がどこまで一括対応できるか確認しましょう。また、社内資料や取引先への提出に使用する場合は、試験結果をどのような形式でレポートしてもらえるかも確認しておくと安心です。
恒温恒湿試験の受託費用は、試験内容や使用する設備によって異なるため、一律ではありません。基本的には試験条件を受託先へ伝えたうえで、個別に見積もりを取ります。
費用に影響しやすい主な条件は次の通りです。
特に長期間にわたる試験や大型の試験槽を使用する場合、通電・測定などの作業を追加する場合は、費用が変わりやすくなります。複数社へ見積もりを依頼する際は、同じ試験条件を提示したうえで比較しましょう。
受託先によって詳細な手順は異なりますが、恒温恒湿試験を依頼する際は、一般的に次のような流れで進みます。
恒温恒湿試験を外部へ委託すれば、自社で試験設備を保有していない場合や、自社設備では対応できない試験でも実施できます。ただし、対応できる温湿度範囲や試料サイズ、設備数、規格、通電試験、試験後の解析などは受託先によって異なります。
まずは試験条件や試料情報、希望納期を整理し、自社が必要とする試験に対応できる受託先を選びましょう。



※1 オプションのタンクを増設した場合の連続運転時間
※2 参照元:【PDF】安定性試験チャンバー|ナガノサイエンス公式(https://www.naganoscience.com/ja/wp-content/uploads/2023/11/NST_2023all_1127.pdf)